【その他】45年ぶりの訪問、記憶は間違いがなかった
小学生の時、しばしば大阪のお寺に行っていました。
10歳から12歳の頃までですので本当に遠い記憶です。
故あって訪ねることにしました。
それから45年ですから、半世紀も前の記憶はかなり怪しくて、駅を降り立って無事に行けるのか、その距離感も不確かでした。駅を出て右に行く。そしてずっとまっすぐ。お寺の前にはイカ焼きの店がある。記憶はそれだけです。
怪しい記憶を辿りながら歩いていると、目的地のお寺はありました。
45年前の記憶は正しかったのです。
門は閉ざされており、どうやって開ければいいのかわかりませんでした。
押しても引いても開きません。通りがかりの方が、左右にするのだと身振り手振りで教えてくれて、そうしてみると開きました。まさか引き戸とは思いもよらずでした。
寺に入ると、遠い記憶が蘇りました。
あの鐘楼があります。子供の頃、行くたびに時間とか関係なくいつも鳴らしていました。今から思えば近所迷惑だったかもしれません。
玄関に行きましたが、呼んでも何の反応もありませんでしたが、ちょうどすれ違って自動車に乗り込んだ方にお寺の方がいらっしゃいますかと尋ねるとわざわざクルマを降りてくれて家の中に入りおばぁさんを呼び出してくれました。
出てきてくれたおばあさんは、名乗るとすぐにわかったようです。
私は、このおばあさんの45年前の姿を全く覚えていないのですが、12歳だった僕のことを覚えてくれていました。
時折涙を拭きながら話してくれるおばあさんの話は延々と続きました。私は時折相槌を打ちながらずっと聞いていました。今起こっていること、そしてこれから起こるであろうことなどを聞いていました。話はぐるぐると廻っていて同じ話も何度か聞きました。どのタイミングで席を立てばいいのかがわからないでいましたが、ちょうどご来客があったタイミングで席を立つことにしました。
また来るね。寒くなる前にまた来るねと手を振って別れました。
駅に向かいながら振り返ると、おばあさんの姿はもう見えませんでした。
寒くなる前にまた行かないとね。そう約束しましたもの。![]()
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